【スタンダード】アモンケットデッキ案詰め合わせ
【スタンダード】アモンケットデッキ案詰め合わせ
【スタンダード】アモンケットデッキ案詰め合わせ
最後までこれといったデッキが決まらなかったKLD~AER期と違い、今回は使いたいカードが多かったのでちょっと早めに供養放出。ショップの新環境デッキ記事もそろそろ出始めそうですし。

※赤字:新カード

■赤黒ディスカード
クリーチャー:24
2《墓所破り》
4《戦慄の放浪者》
4《血怒りの喧嘩屋》
4《屑鉄場のたかり屋》
4《秘蔵の縫合体》
4《憑依された死体》
2《ゲトの裏切り者、カリタス》

インスタント・ソーサリー:13
4《稲妻の斧》
4《癇しゃく》
2《致命的な一押し》
3《苦しめる声》

エンチャント:1
1《リリアナの支配》

土地:22
7《沼》
7《山》
4《泥濘の峡谷》
4《凶兆の廃墟》

マッドネスとゾンビのどっちつかず良いとこ取りを目指したディスカードデッキ。
新規加入の《戦慄の放浪者》《血怒りの喧嘩屋》が予想以上に強し。低マナ域に寄せており、早い段階で手札が少なくなるので《戦慄の放浪者》の復帰能力を起動しやすいし、《血怒りの喧嘩屋》は 2T4/3場に出しつつ《憑依された死体》捨て 3T死体の能力起動して癇癪マッドネスしつつ縫合体もディスカード みたいな高打点ムーブが出来る。強し。
逆にたかり屋は食える墓地の生物が少ないので出来れば減らしたいけど、他に良い生物もいないので入れてる枠。
カリタスはスライが多いと予想したので。別にスライ相手じゃなくとも、《戦慄の放浪者》を3マナで復帰させて、それをカリタスが食べて……とやってるだけで大抵のアグロは辛そうだけども。
ちなみに機体はともかくサヒーリコンボは相当きついと思われるので、フェリダー禁止をひたすら祈ってます。


■赤白人間
クリーチャー:33
4《探検隊の特使》
4《スレイベンの検査官》
4《発明者の見習い》
4《金属ミミック》
4《サリアの副官》
4《名誉ある門長》
3《無謀な奇襲隊》
4《ハンウィアー守備隊》
2《熱烈の神ハゾレト》

インスタント・ソーサリー:8
4《多勢》
4《石の宣告》

土地:19
6《平地》
6《山》
3《鋭い突端》
4《感動的な眺望所》

こいついつもミミック+副官+守備隊のシナジー推してんな。
ハンウィアー守備隊好きだけど、直線的過ぎて流石に飽きてきた(おい)。


■ナヤ警戒督励
クリーチャー:20
4《栄光半ばの修練者》
4《ラムホルトの平和主義者》
2《通電の喧嘩屋》
3《不屈の追跡者》
3《折れた刃、ギセラ》
4《栄光をもたらすもの》

プレインズウォーカー:1
1《アーリン・コード》

インスタント・ソーサリー:9
1《石の宣告》
4《霊気との調和》
4《蓄霊稲妻》

エンチャント:7
4《永遠の見守り》
3《排斥》

土地:23
3《平地》
2《山》
3《森》
3《隠れた茂み》
4《まばらな木立ち》

4《感動的な眺望所》
4《霊気拠点》

友好色の貧弱なマナベースで3T(W)(W)もしくは4T(W)(W)の後に5T(R)(R)を要求する曲者デッキ。色事故怖すぎて調和あるのに土地23枚にしました。
絆魂持ち7枚なのでライフレース=アグロには強い筈……一方丁寧に1:1交換してくるコントロールに弱いので、ただつよ兼アドエンジンとして追跡者を3枚採用。
アーリンは5枚目の《永遠の見守り》として採用。生物いない状況とかだと流石に弱そうなので。

■ステロイド
クリーチャー:23
4《損魂魔道士》
4《緑地帯の暴れ者》
3《牙長獣の仔》
4《通電の喧嘩屋》
4《ラスヌーのヘリオン》
4《熱烈の神ハゾレト》

インスタント・ソーサリー:17
4《ショック》
4《顕在的防御》
4《霊気との調和》
1《蓄霊稲妻》
4《暴力の激励》

土地:20
5《山》
7《森》
4《獲物道》
4《霊気拠点》

男は黙ってステロイド。
対機体は先手ゲー、サヒーリはトランプル関連のカードとハゾレト様をどれだけ引けるか、という印象。
前環境のRGは4マナ(頂点)のフィニッシャーがハイドラやチャンドラでイマイチ決定力に欠けていたので、ハゾレト様(5神最強※当社比、つまり神の中の神)加入でかなり強化されたように思います。
大抵のことは速さでなんとかなるので、来週の禁止改訂がどう転ぼうとも環境初期はこれを使おうかなと。
今更気付いた《排斥》の能力
今までの認識:3W瞬速ETBでクリーチャー1体追放するエンチャント(Wでサイクリング)
そう思っていた理由:《停滞の罠》がWW1瞬速クリーチャー限定追放なので、《排斥》はサイクリンに加えてマナ拘束緩くなった分、少し重くなり4マナに

現実
《排斥》 3W
エンチャント
瞬速
排斥が戦場に出たとき、対戦相手がコントロールする土地でないパーマネント1つを対象とし、排斥が戦場を離れるまでそれを追放する。
サイクリングW



ナンデ!?パーマネントナンデ!?


正直エンチャント追放除去ニガテです。エンチャは割られるリスクがあるから~とは言いますが、結局エンチャント破壊が一番得意なのは白なわけですし、そもそもエンチャに触れるのは緑白だけですからね。
加えて今のスタンは《排斥》のようなエンチャントを割れる構築級のカードはほぼないですから(白だと《断片化》とナヒリ、それ以外だとワルブレくらい)、実質確定除去みたいなものです。
幸い《排斥》は4マナなのでそうホイホイ積まれることはないでしょうが、最悪サイクリングで入れ替えれば良いので、思った以上に見かける機会は多そう(破壊不能増えたし)。


まぁ白のエンチャント関連全部許すからさ(唐突な上から目線)、それならせめて白エンチャ 赤アーティファクト 緑両方 って感じでカラーパイ整理してくんないかねウィザーズくぅん。
アモンケットカード雑感
アモンケットカード雑感
アモンケットカード雑感
■白
《賞罰の天使》
ETBでこれが場を離れるまで相手の土地以外のパーマネント追放できる5W不朽持ちの3WW飛行3/4
相手のテンポと除去をもぎ取っていく悪魔、もとい天使。自分で使うとそうでもないが使われると強いカードの予感。アヴァシンといい白の5マナ域は嫌がらせちからがすごいな?

《黙考の時間》
このターン「ゾンビをブロックした/ゾンビにブロックされた」クリーチャー1体を追放するWインスタント
レンジストライクとはいえ1マナ追放除去が許されるのか…… デメリットもゾンビの特性上大して問題にならないので、ちょっと噛み合い過ぎてる感。

■青
《検閲》
追加で1マナ要求し、Uでサイクリングできる1U打消し
《本質の散乱》
クリーチャー打消し1U
クリーチャー主体のアグロが多く、かつフルタップで動くことが多いスタンでは両者とも使われそう。検閲+本質の散乱+否認+予期で2マナオープンのコントロールに震える日々が始まる。

《象形の守り手》
各ターン最初に呪文や能力の対象になるたびそれを打ち消す能力持ちで5UUで不朽できる3UU飛行5/3
除去耐性と不朽が合わさり最強に見える。キラン号と相打ち?コントロールなら除去で捌けるじゃろ(他人事)。

《迷宮の守護者》
呪文の対象になったら生贄に捧げる能力を持ち、3Uで不朽できる1U2/3
能力は対象外なのが嬉しい。現スタンで対象に取る呪文は大抵除去だし、《無許可の分解》の3点をフィズらせることもできる。

■黒
《ホネツツキ》
このターンクリーチャーが死亡していたらマナコストが3少なくなる3B飛行接死3/2
陰鬱!?殺されたんじゃ…?
死ぬのは相手クリーチャーでも良いので、序盤に除去と一緒にキャストしてクロパっぽい運用もできそう。接死のおかげでいつ出しても腐らないのが良いですね。

■赤
《猛火の斉射》
対戦相手の各クリーチャーに1点与えるRソーサリー
赤1マナで相手のクリーチャーだけ各1点ってもしかして初ですかね?スタンではスカラベが流行ったら出番ありそうなナイスサイド枠。

《過酷な指導者》
マナ能力でないアーティファクト/クリーチャー/土地能力を起動するたび2点与える1R2/2
スタンだと劇的に刺さるデッキはあまりないので、メインに4積みは流石になさそう。霊気池(及びそのサポートスペル)とキラン号くらい?

《心臓貫きのマンティコア》
ETBで他クリーチャー1体サクってパワー分の火力を飛ばし、5Rで不朽出来る2RR4/3
スライに入れるならハゾレト様の方が良いと思いますが、赤で使える不朽ということで消耗戦で使いたい。生贄が「してもよい」なのは分かってんなと。

《損魂魔道士》
こちらの戦闘ダメージ以外のダメージを-1/-1カウンターに変換するR果敢1/2
受け継がれる速槍の魂(髪型)。火力の弱点を補う素晴らしい能力だと思います。ドラゴンの餌と軍族童再録された暁に彼の真の力を目撃するだろう(されない)。

《熱烈の神ハゾレト》
手札1枚以下で顕現、2Rとハンド1枚でを対戦相手に2点の3R破壊不能速攻5/4
個人的アモンケットベストカード。
プレビュー時には
Q1:4~5ターンまでに手札を1枚まで使い切るようなスライをスタンで組めるか
Q2:赤神がサイクル中最弱なのでは
といった懸念がありましたが杞憂だったなと。理由は↓
A1:組める。ある程度の強さもある(と思う。多分…)
A2:ニェット!最強まである思っているぞ!詳述すると
青:どんな環境でも手札7枚キープは流石に辛い
黒:サクりコストが重い。ケツデカと威迫と破壊不能のチグハグさもマイナス。ナントゥーコの鞘虫が残っていれば……
緑:強いが獰猛達成が思ったよりキツそう。ギデと組み合わせるパターンは攻めてる時は強いものの、守りになると機能しなくなるので、特に高速デッキ相手には微妙に思う。ただ緑ギアハルクまでつながれば条件なんて無いようなものなので環境速度次第
白:こちらも間違いなく強く、毎ターンクリーチャー1体ずつ追加すれば小細工無しでも4Tに出して即動きだせる。が、3体ぴったりだとクリーチャー指定前に除去されて計算が狂う可能性があるので、中々判断が難しい。一番組み合わせたい同盟者ギデとマナ域が被っていなければ……流石に強すぎか
一方ハゾレト様は:緑赤なら(他はシミュレートしてないゆえ)4~5Tキャスト即パンチも可能。顕現条件の中では最も相手に干渉され辛い(万が一こちらの手札を増やされても他のカードを使えばいいだけ)。同名カードが手札でだぶついても火力に変換できるのも他の神にはない強み。神サイクル唯一タフ4ですなわち掌握で落ちてしまうが、そもそも掌握がどこまで使われるか分からないので(掌握を一番上手く使えた巻きつき蛇デッキはマイナスカウンターの出現で激減するだろうし)、そこまで問題ではないと思う。
というワケで赤神が最強だと思いますまる(バイアスかかりすぎ?ごもっとも)

■緑
《刻み角》
ETBでアーティファクト1つ破壊、相手のアーティファクトはタップで出るようになる2G2/2
期せずしてサヒーリコンボ対策に。「未来予知」できる開発に想定外の無限コンボなどなかったということだな!

■多色
《名誉ある門長》
攻撃するたびターンエンドまで他の攻撃クリーチャーを+1/+0修正するRW3/2
カラーパイとガッチリ噛み合った能力。人間なのも偉い。

《むら気な召使い》
他のゾンビが1体出るたび1点ドレインするWB2/2
レアかと思ったらアンコだった。ただただ強い。

《水流織り》
CC出す1GU2/2のマナクリ
\ランプ!/ \ランプ!/\ランプ!/


■全体
ランプやコントロール向けのカードがチラホラあり、環境を遅くしたいという意志を感じる。それらは破滅の刻でボーラス及び(本来落ちるはずだった次元の激高枠の)全体除去が来てから本番、といったところでしょうか。
赤はレア以上の当たりが多く、コモンアンコも幾つか構築で採用出来そうなカードがあり、総じてかなりの収穫があったと思います。欲を言えばマトモな火力が欲しかったですが、ようやくクリーチャーインフレに追いついたと感じられたので個人的には満足。
怒りの鳥
怒りの鳥
■にゃんにゃんゴッド
白神様ちょっと強くないですかね……毎ターンクリーチャー1体出すだけで簡単に条件達成できるんですが……
そしてこの神も青神様に続いて闇の掌握が効かないタフ6。赤神様はタフネス5でも良かったのでは?
ギアハルクに続いて神サイクルも赤がドベとか嫌じゃ嫌じゃ。

■白鳥狩り
個人的に今のところ一番条件が厳しいと思っている青神様ですが、モダンのスワンアサルトに採用できるのではと思いました。鳥を叩きまくる(ことでドローしまくる)ので手札7枚維持が可能ですし、戻した土地も火力に変換できるので。
スワンアサルト自体弱いからノーチャンとか言ってはいけない。
【モダン】白に堕ちる。善戦の為に。 :新たな造形調整録
【モダン】白に堕ちる。善戦の為に。 :新たな造形調整録
Previously on Shape Anew(デェーン)
http://enokitake.diarynote.jp/201612180750429195/
http://enokitake.diarynote.jp/201702270212263532/


死の影対策で黒の確定除去を増やしたら、なんだか汚いデッキになったので組み直すことにしました。シナジーがないにもかかわらず、フェッチで持ってこれるからという後ろ向きな理由で黒採用はやはりイカンぜよってことですね。今一度キチンとデッキを精査するべきそうすべき。

大前提:《新たな造形》の青、宗教上の理由で外せない赤は確定。
追加条件としては
1. 確定除去
2. 能動的な1マナアクション
3. ビートプランを補強する生物
4. 1~3はコンボシナジーがあると尚良い

1. 確定除去
主に死の影タルモブラザーズやエルドラトロンの大きいお友達対策として。勿論稲妻で焼けない諸々の生物にも。
この時点で緑は脱落。黒と白は甲乙つけがたい。

2. 能動的な1マナアクション
今までは 1T幻視かギルラン処理→2T妨害等→3T飛行機械技師→4T新たな造形 という動きだったが、イマイチ噛み合ってない感があった。なので1Tの能動的なアクションを増やして、以降のターンの選択肢を増やしたい。
黒:ハンデス
白:みんな大好き《スレイベンの検査官》
ハンデスも悪くはないけど、条件4により白に軍配。

3. ビートプランを補強する生物
《刃の接合者》《修復の天使》
流石にこれは圧倒的に白。


というわけで赤青白になりました(知ってた)。
クリーチャー:16
4《スレイベンの検査官》
3《瞬唱の魔道士》
2《飛行機械技師》
2《刃の接合者》
2《修復の天使》
2《ピア・ナラーとキラン・ナラー》
1《荒廃鋼の巨像》

他スペル:21
4《血清の幻視》
4《流刑への道》
4《稲妻》
3《マナ漏出》
2《イゼットの魔除け》
4《新たな造形》

土地:23
1《平地》
2《島》
2《山》
4《溢れかえる岸辺 》
4《乾燥大地》
4《沸騰する小湖》
2《蒸気孔》
1《神聖なる泉》
1《聖なる鋳造所》
2《僻地の灯台》

フェッチ12枚体制とか流石にアホかな?でも月になす術なくボコられるの嫌なんですよ!
皆さんフェッチとファストランドの比率調整とか特殊地形メタケアとかどうやってるんですかね……
Gods Among Us
Gods Among Us
Gods Among Us
悪くない。というか強い。
仮に出て即殴れなくとも不要牌を火力に変換出来るのは偉いし、余程重いカードを複数枚抱えていない限りは次のターンには殴れる(と思う)。
問題は4~5ターンまでに手札を1枚まで使い切るようなスライをスタンで組めるか怪しいということと、他色の神もアカガミ様と同じ条件とは限らず、ギアハルクみたいに赤だけ弱いパターンがあり得るということ(流石に考え過ぎかな)。

1マナジャッカル戦士は1マナと威迫が噛み合っていていい感じ。ディスカードシナジーに期待。

白オーラは1マナ2/2先制攻撃警戒と考えるとすごいコスパ。布告避けとしてモダンの呪禁オーラとかに入る可能性あるんですかね?

友好色とは
WotC「新カード公開しました」

ぼく「おっサイクリング付きの二色土地か。アンコにしては結構強いな。構築でもチャンスあるんじゃ?」

WotC「レア」

ぼく「ん?」

WotC「レア」

ぼく「は?」

WotC「レア」

ぼく「はい」


今後シナジー持ちカードがドンドコ出て来る可能性もあるのであくまで現時点での評価ですが、悪い意味でレア土地の性能ではないと思います。
そもそもの前提として今現在友好色のマナベースは非常に弱い。その証左としてトップメタ全てが対抗色デッキという有様なわけで。
機体:マルドゥ
4Cサヒーリ:ティムールタッチ白
BG巻きつき蛇:ゴルガリ
電招の塔:ティムール
加えて、環境が遅くなればまだマシですが、次期環境を現環境の延長と想定するならサヒーリコンボや機体があるわけで、サイクリングしてる暇がない可能性が高いです。
BFZローテ落ち前提で開発されていると思われるのでしょうがないといえばしょうがないですが、遅いデッキ向けの土地としても確定タップインは相応のメリットがなければ微妙ですし、そもそも今、友好色に欲しいのはファストランドのような序盤確定アンタップイン出来る土地なんですよね……
友好色と対抗色の格差をなくすのは大賛成ですが、それを通り越して対抗色が友好色を凌駕してしまうのはなぁ……
ナヤ人間を組める日は来るのだろうか。
【翻訳】看板としてのプレインズウォーカー、その問題点
みんな大好きMTGGoldfishより。クリーチャーのインフレは広く指摘されるようになった感がある一方、そこまで指摘されることのなかったPWの問題にMTGGoldfishのセス(SaffronOliveでお馴染み)が切り込みます。
ちなみにStarCityGames.comにてロス・メリアムが反論記事を書いています。参考までに。
原文:The "Face-walker" Problem by SaffronOlive
https://www.mtggoldfish.com/articles/the-face-walker-problem

以下訳


 マジックが生まれてから約25年、その間に様々な変化があり、これからも間違いなく幾つもの変化が訪れるだろうが、ここ数年で最も大きな変化――新世界秩序や神話レアの導入、レジェンドルールの改訂、もしくは基本セットの終了よりも大きな変化――はプレインズウォーカー(以下PW)の誕生だろう。
 現実を直視しよう。PWは心躍らせるものだ(った)。PWは今や全てのMTGセットにおける看板カードだ。ゲートウォッチ(以下GW)中心に物語が進められるようになって約2年経つし、次のアモンケットブロックでもほぼ確実にPWとしてのニコル・ボーラスに焦点が当てられるだろう。もちろん、これは必ずしも悪いということじゃない。PW疲れは懸念要素で、現に小さなPWグループがここ最近ほぼ毎回現れているからなおさらだ(リークされたアモンケットのアートによると、同じスタンダードプールで3枚の別のニッサが可能になるようで、これは今までなかったことだ(※訳者注:正確にはPWデッキ版を含めた4枚))。しかし特にウィザーズからすると、PWには大きな利点があるんだ。
 現代の物語/ブランド先行型マジックにおいて、PWはストーリーに目的を与えてくれるという意味で非常に重要だ。実際、ウィザーズはマジックをスーパーヒーロー映画に変えようとしている(それともスーパー「フレンズ」映画と言うべきかな?)。僕らは多元世界を巡るジェイス-ティスリーグ(※ジャスティスリーグのもじり)の偉業を追わなければならなくなる――様々な悪役と戦い、ちょっと息抜きし、新しい友を作り、時には喧嘩をし、(残念ながら)間もなく恋に落ち、破局し、そしておそらく最終的にはMTG版ジェリー・スプリンガー・ショー(※超低俗ながらも高視聴率を叩き出しているトーク番組。番組の締めは皆舞台で暴れまくるのがお約束)的な終わり方になるだろう。冗談はさておき、継続して出るキャラクターというのは数セット、数ブロック、数年をまたがったストーリーを扱う際にとても助けになる。というのもプレイヤー(もしくは読者や視聴者)は既にキャラクターを知っているし、親しみさえ覚えているだろうからね。
 既に指摘したように、同じ顔触れを何度も何度も出されることによって人々が飽きてしまうというリスクがあり、実際GWへの不満は度々聞くことがあるが、まだそこまで危険な領域には達していない。しかし少なくとも今回、僕はPWのストーリー面での問題を大々的に取り上げるつもりはないよ。勿論ウィザーズにとってPWがいかに重要か――その重要性はストーリーとブランディングに基づいたものだ――を理解することは今回の話の前提になってはいるんだけれども、今回の主題はPWがゲームプレイに与えた影響だ。物語面での影響はあくまでも二次的なものってことだね。個人的にはGWの終わりのないストーリーは大好きではないんだけど、それは僕個人の感想であって、それを好きな人が沢山いるってことは勿論分かってるよ。一方でGWと近年のセットで強力なPWが増えているということはスタンダードで特に顕著にゲームプレイが詰まらない大きな理由の一つだと思っている。


セット販売の顔としてのプレインズウォーカー

 新しいセットを売るためにウィザーズがよくやるのは何枚かの強力なカードを「看板カード」として推すやり方だ。これは別に悪いことじゃないし、実に理にかなった方法だ。それを聞いてタルキール覇王譚でフェッチランドが看板だったじゃないかとか、基本セット2010では《悪斬の天使》がそうだったじゃなかとか、色々言う人がいるかもしれない。しかしここ数年、ウィザーズがPWを各セットの看板カードにしようとする完璧な影響力の嵐を僕らは目撃したわけだ(例外は『異界月』の看板《約束された終末、エムラクール》くらいだ)。
 以下が大まかな流れだ:ハスブロ社(※全米第二位の玩具メーカーでありウィザーズの株主)はMTGをトランスフォーマーやX-MENのようなフランチャイズにしたかった。これを実現するには、MTGには継続的に出るキャラクターが必要だ。そして当然の選択としてPWが選ばれた。そんなわけで、『Magic Story -未踏世界の物語-』は主にPW達(GWのような)に焦点を当てるようになったのだ。しかしこの計画を機能させるに、PWには二つの要素が必要だった。一つはPWはセットの主な焦点及びセールスポイントである必要があるということ。二つ目はPWは強力でなければならないということ――プレイヤーがFNMやカバレージで見かけるように、最低でもスタンダード級の強さが求められる。もしたまたま超強力になって、必ず目にするレベルであればさらに良い。
 最近のスタンダードのセットをちょっと振り返ってみようか。『戦乱のゼンディカー』の看板PWは、恐らく今現在スタンダードで最も強力なカードであり、スタンダードで最もプレイされているカードトップ10にも入る《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》だ。『ゲートウォッチの誓い』の看板は、今はちょっと下火だが、去年のベストデッキの一つ(緑白トークン)で重要な役割を果たしていた《ゼンディカーの代言者、ニッサ》。『イニストラードを覆う影』は緑黒昂揚の必須パーツとして《約束された終末、エムラクール》を禁止に至らせる手助けをした《最後の望み、リリアナ》だろう。『異界月』は例外(《約束された終末、エムラクール》がセットの顔だったが、良い幕切れとはいかなかった)。そして『カラデシュ』には《反逆の先導者、チャンドラ》(現在スタンダードで使われているカードトップ10の一つ)と《サヒーリ・ライ》(厳密には看板PWではないが、無能がなせる奇妙な巡り合わせ、もしくは偶然によって。同じくトップ10カードの一つ)がある。最後に、《策謀家テゼレット》が『霊気紛争』の顔だ。
 この看板PWリストはスタンダードにおける最良のカードたちの名士録のようだ。あまりにも強力過ぎて禁止されたものもあれば(《約束された終末、エムラクール》)、2つはこの前の禁止改訂の短いリストに載っていたし(《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》《サヒーリ・ライ》)、残りも(《策謀家テゼレット》を除けば)何かしらの期間においてはスタンダードでのトップ5カードだった。重要なのは、ウィザーズはセットを売るためだけにPWを使っているのではなく、これらのカードがスタンダードにおいて、とても強力と壊れの間のパワーになるように最大限推し進めているということだ。


看板プレインズウォーカーとゲームプレイ

 このように猛プッシュされるPWが物語の推進剤として、またセットを売るためには間違いなく良いものである一方、幾つかの理由によってゲームプレイにおいては非常に問題がある。その理由を理解する前に、まずはゲームプレイにおいてPWが何たるかを確認しておく必要があるだろう。フレイバーやストーリーとは関係なく、PWは何度も起動できる、分割カードとパーマネントのある種奇妙な合成のようなデザインをされている(アーティファクトやエンチャントのように)。結果として、PWは本質及びデザインの時点でカードアドバンテージを生み出し続けるエンジンになっているんだ。たとえ実際カードを引かせるということがなくても、毎ターン能力を起動できるからね。分割カードの面はPWの複数の能力に当てはまる。僕らがここ数年で見ることになった多くの強力なPWは防御に素晴らしい働きをする(《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》の2/2トークンは毎ターンチャンプブロックさせてくれる)だけでなく、攻撃でも素晴らしい働きをし(《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》はたった4マナで5/5破壊不能のアタッカーになる)、デッキを安定させ、プレイヤーを延命し、さらにはゲームを終わらせることもできる。これにより、多くのPWがマジックのカードにおいて稀少なグループ――劣勢の時も、優勢で勝ちに繋がるカードを探している時も、両方においてベストなカード――に分類されているわけだ。
 おそらく最も明白なPWの問題は、それらはあまりに他のカードより優れているが故に、プレイアブルなカードの数を極端に損なわせているということだ。例えば、《反逆の先導者、チャンドラ》を見てみよう。彼女は最悪でも「4マナ4ダメージに少しのライフゲインがつく」これは絶対に得られる最低ラインだ。逆に彼女の天井は(他のPWにも言えることだが)「ゲームに勝つ」だ(《反逆の先導者、チャンドラ》の場合、+1でのダメージとドローに始まり、最終的には奥義でその過程を加速させるだろう)。一方で、《集団的抵抗》は本当に、本当に強力なマジックのカードで、クリーチャーに4点のダメージを与えるだけでなく、もしマナがあれば相手プレイヤーにダメージを与えられ、さらに《意外な授かり物》のようにいらない手札を入れ替えることも出来る。問題は《集団的抵抗》は大抵《反逆の先導者、チャンドラ》より劣っているので、誰もプレイしないということだ。もし君が《集団的抵抗》を使っているなら、それは間違いだ。なぜなら《反逆の先導者、チャンドラ》の方がはるかに強力だから。これは他のPWにも同じようなことが言える。もし君が素早く相手を殴り倒すプランを採用していて、かつ白を使っているのなら、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を使わずに《折れた刃、ギセラ》や《大天使アヴァシン》を使うということはあり得ない。要するにPWはそれに本来備わっているカードパワーによって、スタンダードの他のカードを押しのけてしまうのだ。そしてこの問題は、スタンダードのゲームプレイと関係のない目的のためにPWが意図的にプッシュされることで、さらに膨れ上がる。
 多様性を狭める以外にも、PWは他にも大きな影響をゲームにもたらしている。PWは全てを中マナ域に偏った戦略を推し進めがちなのだ。スタンダードの競技用デッキを組もうとした時、そのフォーマットにおいて最も強力なカードを使わないというのは非常に難しい。ブライアン・デマースが数日前にChannelFireballの記事で指摘したように(拙訳http://enokitake.diarynote.jp/201703172305397824/)、僕らはアグロ/ミッドレンジ/コントロールではなく、攻撃的なミッドレンジ(《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》入り)や、純粋なミッドレンジ(《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》入り)、そしてコントロール寄りのミッドレンジ(これまた《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》入り)に辿り着くわけだ。
 ミッドレンジからミッドレンジへと移り変わる過去数セットのスタンダードのメタゲームの原因はPWだけというわけではない。全体除去やバーンスペルのマナコストは上がり、除去も同じように続き、そして皮肉にもこれらの他の変化がPW問題を更に悪化させているのだ。もし《稲妻》がスタンダードにあれば、《反逆の先導者、チャンドラ》を思考停止で最適な除去と見做すわけにはいかないだろう。そして更にはPWのない赤いデッキを組むことだって可能かもしれない。
 最後に、これは万人に当てはまるわけではないかもしれないが、猛列にプッシュされ、絶対プレイしなければならないPWが毎セット存在するということは、限られた予算で競おうとするプレイヤーにとってスタンダードを高価なものにしてしまう。もし君がBudget Magicシリーズ(https://www.mtggoldfish.com/series/budget-magic)をチェックしてくれているのなら、プレイしたデッキのアップグレード版を毎週投稿しているのは知っていると思う。意外じゃないと思うけど、今のところスタンダードのデッキを「アップグレード」する最も一般的な方法は《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》のようなPWを足すことなんだ。大抵、それは《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》がデッキのテーマにあっているとかシナジーがあるというわけじゃなく、ただ単にギデオンがあまりに強力なので、ギデオン抜きの白いデッキという時点で、ギデオン入りより弱くなっているからなんだ。
 かつてウィザーズは神話レアは推したい構築用カードのためでも、そのセットでの最高のカードが上から選ばれるようなものでもないと言った。まあ、ストーリーと売り上げのためにPWを推していく新しい方針下では、各セット少なくとも一つの、競技レベルの構築がしたければ「絶対に入手しなければならない」カード専用の、神話レア枠を拵えることになる。そしてセットによっては複数の推しPWがいるわけで、最終的には更なる神話レア枠が構築で必須のカード専用枠になるだろう。それはつまり更なる超高額カード(マスターピース制度が設けられた以上、神話は印刷される中で唯一重要な価値を維持できるカードだ)の増加を意味し、それは代わりに、スタンダードで競技的でありたいならプレイヤーは多くの資金を溢れんばかりの神話レアのために費やさなければならないということを意味する。
 公平に言えば、僕はPWがゲームプレイに与えた良い影響についても書きたかったんだけど、どうしても良い答えが思い浮かばないんだ。PWは確かに楽しいものである一方で、その楽しいPWは明らかに構築用に調整された看板PWではないんだ。《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を形容するあらゆる形容詞の中には、「楽しい」は含まれていない。実際、僅かにパワーを落とされたPWの方が遥かに楽しいんだ。倒されやすく、時には面白い動きをするゲームプレイを体験できるだけでなく、《滞留者ヴェンセール》を入れるか《リリアナ・ヴェス》を入れるかといった選択とジレンマをデッキビルドで味わえるからね。「どちらが先に《サヒーリ・ライ》を引いたか?」に帰着するゲームは楽しくない。「《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を倒すための数少ない回答札の一つを持っているか?」でゲームが決まるのも楽しくない。つまりPWは楽しい存在になれるが、極めて強力なPWはほぼ確実に楽しくはなれないのだ。そして最近は(既に述べた理由により)僕らはもっともっと超強力なPWを目にしている。


解決策

 PW問題への解決策に入る前に、いくつかの選択肢は既に利用不可能なのではないかという前提に触れるべきかもしれない。例えば、セールスポイントであり推しカードでもある「看板PW」を取り除けば問題は解決するかもしれないが、ウィザーズがその案を受け入れるとは考えにくい。良くも悪くも、ウィザーズにはマジックをX-MENやトランスフォーマーのようなフランチャイズにする計画があり、この計画には各セットに最も重要なカードとしてのPWがあることが不可欠なんだ。PWがゲームプレイに悪影響を与えないようにするために、ウィザーズが包括的目標を巻き戻すなんてことはないだろう。また、これは特定のPWにだけ当てはまる話じゃない。《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を少し弱くするのにそこまで意味はない。なぜなら僕たちが持ち合わせている情報を統合すると、これからも当分の間は看板PWの大行進は続くだろうからね。なので個別のPWを「手直し」しても、ウィザーズはマーケティング及びセット販売のためにPWを推し進める必要があるという根本的な問題は何も解決しないわけだ。
 もう一つの前置きとして、PWを神話レアから単なるレアに降格するというのがあり、確かにこれは価格を抑えてはくれる(良いことと言える)だろうけど、それはPWがゲームプレイにもたらしている問題に関しては何の影響もないんだ(《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》がレアになってもその強力さや詰まらなさは神話の時と何も変わらない)。しかし実現可能な解決策がないわけではないんだ。

その1:プレインズウォーカーを「少し」弱くする
 そうそう、前の章で言い忘れたんだけど、PWを弱くするのも同様に現実的な解決策とは言い難い。というのも、ブランド及びマーケティング目標を達成するために、PWはプレイされ見かけるようにならないといけないからね。しかしながら僕は、PWがあまりに強力過ぎてウィザーズのストーリー/マーケティング目標を助けるのではなく、害するようになる転換点があると信じている。人々がFNMやグランプリ/SCGのカバレージで看板PWを見るようにするというのはウィザーズにとって素晴らしいことかもしれないが、一方であまりに多く目にする機会があると、プレイヤーはそういったPWカードを嫌いになり(もしくはカバレージを読むのをやめFNMに皆行かなくなる)、それはウィザーズが望むところではないだろう。なので、ウィザーズはPW開発に関して、単に高みを狙い過ぎているのかもしれない。「明らかに疑いの余地なくスタンダードの定番」を目指した結果、最終的に息苦しく多様性のない醜い化け物のようなメタに辿り着くのではなく、おそらく目指すべきは「スタンダードでプレイアブル」なのではないだろうか。そうすればカードが多少強すぎたりしても、それは壊れではなくスタンダードの定番になる程度で済む。やはりウィザーズは今一度ストーリーや販売目標を達成するためにPWが――たとえ看板PWであっても――壊れているほど強力である必要はないという事実を受け入れる必要がある。

その2:恒常的なプレインズウォーカーヘイトカードを
 スタンダードに対応カードを戻すことについて色々書きたい気分だよ――多分やり過ぎなくらい。特にウィザーズが脅威と対策の振り子が脅威の方に傾き過ぎているから、それを戻すべきだと気付いたと表明したことを考えるとね。しかし今回は少々事情が異なる。普通の「脅威が強すぎて回答が弱すぎる」という主張ではなく、スタンダードに常に特定の回答札があるように、という嘆願だ。ウィザーズは別にPW中心のストーリーを変更したりPWを著しく弱体化させるつもりはないだろうから、最も簡単なPW問題の解決策は、常にPW(マジックにおいて最も強力なカードタイプ)に対処できるカードがスタンダードにあるようにすることだ。
 現在のスタンダードにおけるPW問題は通常よりもはるかに酷い。なぜならPWへの回答がマジックの歴史上類を見ない程弱いんだ。火力呪文は2マナ(のソーサリー)なのに3点しか与えられず、《破滅の道》も同様にソーサリーだ。優良火力呪文(赤がPWに対処するには良い選択肢だ)や《英雄の破滅》を戻せば部分的な解決策にはなりえるだろうが、PWは現在あまりも大きな役割をゲームプレイにおいて果たしているため、特定の色だけに少しの対策を与えるだけでは十分に改善されたとは言い難い(例えば《英雄の破滅》だけでは、黒を使わなければ《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を倒せなくなるというだけで、デッキ構築の制約が加わったに過ぎない)。
 本当に必要なのは、強力でかつ無色の回答が常にスタンダードにあるようにすることだ(「どうやって」そういったカードをスタンダードに常駐させるかは、基本セットが終了したので、少々込み入っているが、《否認》のことを考えれば不可能ではないだろう)。個人的にはスタンダードに《真髄の針》を戻す案に賛成したいが、ウィザーズは(特定のメカニズムを支援するために)この類の能力は避けたいんじゃないかと思う。だからPWしか指定できない《真髄の針》ならどうだろう?「カード名を1つ指定する」の代わりに「プレインズウォーカー・カードを1つ指定する」にする以外は文字通り全部同じテキストでね
 PWにはまだまだ手を付けられていないデザイン領域があるから、それを変える必要がある。もしウィザーズがこれからもPWを最重要カードとしてプッシュしていくつもりなら、同時に「プレインズウォーカー」を対象に取れる《飛行機械による拘束》や《停滞の罠》のようなカードや、PWも一緒に流せる全体除去も増やすべきだ。もしくは、適切なマナコストで「もしプレイヤーがプレインズウォーカーの忠誠カウンターを加えるならば、代わりにそれと同じ数の忠誠値カウンターを取り除く」みたいな効果の黒エンチャントなんてどうだろう?基本的に僕らはPWの「強い」面ばかり見てきたし皆それの凄まじい性能については嫌と言うほど分かっていると思うが、同様に「弱い」面にについても目を向ける必要がある。他のカードタイプは全部、面白くかつ十分な回答があるわけで、PWも同じであるべきだ。

その3:プレインズウォーカーの数を減らせ
 『戦乱のゼンディカー』はストーリーをほぼ独占的にPWに焦点を合わせて MTGの物語に大きな変化をもたらしただけでなく、目にするPWの数を一気に増やした。『アラーラの断片』から『タルキール』ブロックまでは、大型エキスパンションには平均2.45人のPWがいた。もし『アラーラの断片』を除外すれば(『アラーラの断片』には諸事情により4人ものPWが収録されている)、平均2.3人まで落ちる。一方で、小エキスパンションの平均PWは1人未満となる(ほぼ全ての小セットにはきっかり1人PWが収録されているが、『アラーラ再誕』だけは1人もいないため)。『戦乱のゼンディカー』からの大エキスパンションのPW平均は4人で、小エキスパンションは2人だ。各セットの数が約2倍に膨れ上がっているわけだから、大きく増加していると言っていいだろう。さらにこれは『プレインズウォーカーデッキ』のPWはカウントしていないので、正確にはさらに多いことになる。
 これほどにPWが多いとキャラクターやカードとしての特別感が損なわれるし、実際ゲームプレイにおいては既に起こっている。PWを初めて見た時はとてつもなくワクワクしたし、PWとの蜜月はその後数年続いたんだが、単に毎年多くのPWを出したというだけの理由で、今やすっかり輝きを失ってしまった。《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》のように猛烈にプッシュされているPWでさえ、『ローウィン』の《ジェイス・ベレレン》や《野生語りのガラク》ほどにはワクワクしない。
 理想を言えば、ウィザーズはPWの印刷数を『戦乱のゼンディカー』前のレベルまで落とすべきだろう(大セットに2人、小セットに1人)。こうすればスタンダードがPWで溢れるようなことは避けられるだろうし、もしかしたらPWをまたワクワクさせてくれるカードタイプに戻せるかもしれない。

その4:使い道が限定されたプレインズウォーカーを作れ
 これが最も実装される可能性が高い解決策かもしれない(勿論今回提示した解決策全てが採用されれば最高だけどね)。ウィザーズはゲームプレイとは関係のない理由によって強力なPWを刷る必要があるということは既に述べたね。これから述べることは矛盾してるように思えるかもしれないけど、強力なPWは必ずしも悪いことではないかもしれない。看板PWの多くに当てはまる問題点は、そのPWをキャストできるデッキなら漏れなく強力な働きをするということだ。《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》や《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》、《反逆の先導者、チャンドラ》のようなカードは、色さえ合っていればアグロ、ミッドレンジ、そしてコントロールといった全てのデッキにとってベストなカードだという主張になんらおかしいところがない。この幅広い使い方ができる性能は、至る所でPWを見かけるようにしているだけでなく、これまでに語ってきた多くの問題――PWでなく他のカードをプレイするのが間違っている――に結び付く。
 他方で僕らは、とても強力であるにもかかわらず特定のアーキタイプでしか輝かないPWがいることも知っている。《ボーラスの工作員、テゼレット》は最高の例だ。ざっと目を通しただけでもそれが非常に強力だと分かるだろう。しかし本当にそれの力を引き出すためには、多くのアーティファクトを擁した専用のデッキが必要になる。少なくとも《守護フェリダー》が来るまでは《サヒーリ・ライ》も似たようなものだった。多くのデッキがサヒーリには目もくれなかったが、特定のシナジー(《太陽のタイタン》のような)があれば《サヒーリ・ライ》はとても良いカードだった。これは《滞留者ヴェンセール》(ブリンク)や、《野生語りのガラク》(ランプ)、《群れの統率者アジャニ》(アグロ)、そして《悪夢の織り手、アショク》(コントロール)にも当てはまる。これらのPWは全て(紹介しきれなかった幾つかの他のPWも)、10点満点中8点のパワーはあるが特定のアーキタイプでしかその力を発揮しないんだ。なのでこれらのPWは環境を息苦しくしないし、スタンダードを歪めることもないし、使っても使われても楽しいんだ。これは僕ら全てのプレイヤーにとって良いことだ。加えて、カードパワーは十分なわけだから、こういったPWもまだウィザーズのスタンダードの収録基準を満たしているんだ。


結論

 良くても悪くてもPWは今ここにいるわけだ。ウィザーズはマジックを一ゲームからフランチャイズブランドに変化させるためには、PWが最良と信じているわけだから、どちらかといえば、今後数年PWはますます重要になっていくと僕らは考えるべきだろう。古参はこの変化を嘆くだろうが(僕も時々そうなる)、ウィザーズからすれば全くもって合理的だし、ゲームプレイ外の目標を達成するには明確に最良な方法でもある。
 なのでウィザーズにはPWを正しく扱うこと求められている。僕らプレイヤーにとってこれが如何に重要かはこれまで述べてきたが、同時にウィザーズにとっても重要であるわけだ。最終的に顧客の大部分が、ウィザーズにとっての最重要キャラクターを嫌いになってしまえば、目的達成の真逆をやっていることになるわけだからね。ありがたいことに妥協点はある。ウィザーズが、スタンダードと実際のゲーム体験を破壊することなくセット売ったり、映画を製作するために強力なPWを刷り続けることは可能だ。(今一度思い出してほしい。ゲームプレイはMTGというブランドの根幹だ。マジックが楽しくなくプレイに耐えるものでなければ、だれも気にかける者がいなくなり、映画もTシャツも物語もその他もろもろ全部お釈迦だ)。単にPWを飽きさせないためにPW全体の数を減らしたり、PWに干渉できる方法を増やしたり(これがスタンダードに常にあるということも重要だ)、PWを色が合えば即採用されるような使い道の広い強力なカードから、特定のデッキじゃないと上手く扱えないように使い道は制限されているが条件が合えば依然として強力なデザインにしたりすればいいんだ。

 ともあれ、今回はこれで終わりだ。君はどう思った?PWが好き?PWは未だにワクワクするカードタイプかな?それともPW疲れを経験済み?PWの数についてはどう思う?カードパワーは?もしPWに問題があると思うなら、僕らプレイヤーのみならずウィザーズも満足させられるような他の解決策は何かあるだろうか?(PWを消去したり、レアやアンコモンに降格したり、PWの価値を下げるためにストーリーを変更したりしても、ウィザーズからすれば考慮するに値しないんだ。僕らの意見が真面目に受け止められるようにするためには、批判やフィードバックを送る際には、僕らはウィザーズの目指しているところを考慮しなきゃいけない。)是非コメント欄で教えてほしい。もちろんいつものように、Twitter @SaffronOlive もしくはSaffronOlive@MTGGoldfish.comに送ってくれても構わないよ。


翻訳終わり
【翻訳】スタンダードの直しかた byブライアン・デマース
【翻訳】スタンダードの直しかた byブライアン・デマース
サイゲの一件で腹が立ったので引っ込めようかと思いましたが、折角訳したので放出することにしました。モッタイナイヨクナイ。
ちょくちょく参照画像がありますが、画像見なくても別に大丈夫です(画像見た方が理解しやすくはなると思いますが)。
原文:How to Fix Standard By Brian DeMars
http://www.channelfireball.com/articles/how-to-fix-standard/

以下訳



 月曜の禁止改訂ではどのフォーマットにも禁止はなかった。エターナルでは禁止はないと踏んでいたが、スタンダードでは何かしら禁止されるだろうと思っていた。どうやら機を逃してしまったように見える。


僕は猫派じゃない

 《守護フェリダー》(もしくは《サヒーリ・ライ》)が禁止されるのを見たかった。コピーキャットコンボがロケットに乗せられて宙高く打ち上げられて二度とスタンダードに戻ってこないのを見たかった。

画像①

 お手軽2枚「揃えば勝ち」コンボはスタンダードでは強すぎる。マルドゥは(僅差ではあるが)ベストデッキかもしれないが、コンボの存在がマルドゥを大いに利している。
 マルドゥに有利なアーキタイプは幾つもあるが、それらはコンボに対してあまりにも脆弱なために土俵に上がれないんだ。イシュカナは対マルドゥには素晴らしいカードだが、コントロール向きの重いカードはこの環境では駄目だ。なぜなら一度タップアウトすると、1グーゴルプレックス(10の10の100乗乗。つまり滅茶苦茶多い)もの生まれたての子猫ちゃんが押し寄せてきて、数匹の蜘蛛じゃとても足りないからね。
 僕が気になるのはサヒーリコンボがスタンダードからいなくなるかどうかであって、ギデオンやキランの真意号が壊れても涙を流すことはないだろう。しかしサヒーリコンボをスタンダードから取り除くことは更なる選択肢を提供すると強く信じている。


なぜ今禁止すべきだったのか

 今禁止する、後で禁止する、決して禁止しない。結局どれか選ばなくてはならないんだ!
 理想の世界ではDCIはカードを禁止する必要なんてないが、僕らがいるのは現実の世界で、理想の世界じゃない。
 後で禁止することの利点として、DCIがフォーマットをより観察する時間を得ることと、もしかしたら次のセットのカードが問題を和らげてくれるかもしれないってことがある。更に禁止を後回しにするということは禁止しないという理想的な選択肢を手にするということでもある。
 最高のシナリオ(問題が自然と直る)が存在する一方で、現実ではコピーキャットは勝手に消えるような類の問題ではない。DCIがフェリダーを禁止することは大いに意義があると僕が考える理由は2つある。

1.環境はどうやったってつまらなくなる

 今度のスタンダードは楽しく、良いフォーマットだなと思ったよ。週ごとにあるデッキから別のデッキへとメタが移り変わったしね。しかし今や埃が積もりパズルはすっかり解かれてしまった。
 SNSで行われたある議論に少し僕も加わったんだけど、そこで僕はスタンダードの本質的な問題について考えさせられたよ。結局僕はこのスタンダードが好きだし、「倒すべきデッキ」が週ごとに変わるのも最初の1カ月くらいは楽しめた。しかし多くの人が情報を共有し一つのフォーマットをプレイしてるこの時代においてフォーマットをしばらく解明しないようにすることは可能なのか?
 以下がその議論だ。

ブライアン・デマース「分かってるよ!文字通りそれと同じことを言ったし、とても相互作用に満ちていて決断が重要なゲームだって指摘したんだ。でも皆肩をすくめて『分かんないな。スタンはクソだよ』って言うだけだ。これ以上何を望むんだよ?笑」

エリック・フローリッヒ「スタン環境は全くもって悲惨だけど、ゲーム自体はとても駆け引きがあるよ。もし勝ちたいなら2つしか選択肢がないし、多様性の欠如は酷いものだけどね。(確かに他のデッキでも勝てるには勝てるが、同じように勝てるかと言うと怪しいと思う)」

パウロ・ヴィター「僕はそんなに駆け引きがあるとは思えないな……僕が見る限り多くのゲームはマナの問題で決着がついているし(一番人気のデッキが3色アグロだからね)、ミラーマッチだと先手がとても有利だ。それでもって4キルコンボもあるときた。確かに良いゲームもあるだろうけど、一度『色事故していないか?』『後手で素晴らしいハンドか?』の壁にぶち当たると、その壁を乗り越えるのはこのフォーマットでは非常に難しい」

ブライアン・デマース「発売から2ヶ月程度で2つもしくは3つのデッキに収束してスタンダードが『解明される』のは多分不可避なんじゃないかと思えてきたよ。これだけ色んな情報を見れる世界になって、そこに行きつくのはしょうがないんじゃないかな。
 もう一つ言いたいのは、フォーマットの価値はそれが解明されるかどうかでも、最後にどう見えるかでもなくて、全体の流れがどうだったかだと思う。メタゲームは流動的だったし週ごとに変わっていった。どう転んでいくか全く分からなかったんだ。この特定のスタンが悪かったんじゃなく、スタンダードというフォーマットが新セット前には辿り着く普遍的な問題なんじゃないかと思う」

エリック・フローリッヒ「いやいや、こんな事態は避けられるよ、当然さ。絶対プレイしなきゃいけない幾つかの壊れカードをただなくせばいいだけだ。他のフォーマットみたいにね」

コービン・ホスラー「FNMで勝てるレベルのティア2デッキは5~6個あって、99%のプレイヤーはそうやってスタンに取り組んでるということを君は見逃してるよ」

ブライアン・デマース「エリック、君が思う良いスタンダードはいつなんだい?」

エリック・フローリッヒ「最近まさに同じことを自問したんだけど、思いつかなかったな……問題はまさに君が指摘したようにプレイヤーが環境をすぐに解明することにあると思う。これは解決可能な問題ではあるけど、WotCが解決するようなものではないし、必ずしも解決すべきものではないかもしれない。超強力なカードを刷ることは売り上げに大いに貢献するだろうけど、勝ちたきゃそういうカードを絶対使わなきゃいけないから環境は硬直する」

パウロ・ヴィター「コービン・ホスラー君、僕らはそれを知ってるよ。見逃してなんかいない。ただ『このスタンはプロレベルでプレイする/観戦する/デッキを作るのには詰まらない』ということへの反論には、必ずしもなっていないんじゃないかってことさ。多くの絶対的に退廃していないフォーマットはFNMレベルではこの多様性を保っている。なのでそういう多様性を達成することはプロレベルでの多様性が酷いことへの『言い訳』にはならないよ。それらは両立可能なんだ。
 君が霊気紛争のスタンダード全体の過程をどう感じようと、僕らはもう環境解明に行きついてしまっていて、今やるべきことは殆ど残っていないということについては全員同意できるだろう。
 もしDCIが禁止を出したなら、それはメタゲームを変動させるし、プレイヤーとデッキビルダーにとって踏破すべき全く新しい世界を作り上げるだろう。もう一ヶ月マルドゥ対サヒーリばかりの試合に文句を言わせるのでなく、新しいメタゲームを作り上げ、読み解こうとして非常に楽しいことになっただろうね。
 僕はこういう禁止はマジックの良い点だと思っている。『死んだフォーマット』を活気のあるものに変えてくれるからね。誰も今のスタンをあと数ヶ月もプレイしたいなんて思わないだろうし、禁止すれば一度は死んだスタンにまた興味を持ってくれるだろう」


2. 禁止は正しい文脈でスポイラーを見直させてくれる

 このまま次のセットのリリースを待つより今禁止をすべきもう一つの理由として、次のセットのスポイラーを新たな視点で見れるというのがある。今後数カ月スタンダードで起こることによっては、僕らはスポイラーを「へえ、コピーキャットが禁止『だったら』この新カードはすごく良かったね」と言いながら眺めてるかもしれない。
 また、もし将来コピーキャットがスポイラー期間中に禁止されるだろうというデータが出たらどうなるだろう?「全てのカードを2つの別の文脈で見直さなければならないのか?コピーキャットがいるかいないかで?」少なくとも今何かを禁止しておけば、次の環境がどうなるかと言う点において今の立ち位置を知ることはできる。


スタンダードは再考されるべきだ

 チームメイトのカイル・ボージェムとスタンダードと禁止について話したんだけど、そこでカイルがスタンダードの本質について鋭い指摘をしていたのでここで紹介するよ。
 スタンダードの問題その一はミッドレンジが良すぎるということだ。ミッドレンジが全然駄目だった時に、僕はミッドレンジとミッドレンジが大好きな人達を馬鹿にしていたんだけど(本当さ)、今や時代は変わりミッドレンジがスタンダードの王となって随分経つ。
 ミッドレンジが強すぎるのは、それがウィザーズがここ数年作り続けてきたカードの影響をモロに受けているからだ。ミッドレンジ向けのカードがただひたすら他のカードよりも良質なんだ。ハッキリさせておきたいんだが、マルドゥ機体はアグロのミッドレンジだし、BG巻きつき蛇は純粋なミッドレンジで、サヒーリデッキはコンボを備えたミッドレンジだ。
 マルドゥはアグロでサヒーリはコンボ、BGはミッドレンジの三竦みメタゲーム何て言われるが、実際はどれも全てミッドレンジでゲームプラン立てている。
 除去でもあり生き残れば能力を使いまわせて時にはゲームに勝たせてくれるパーマネントをプレイできる時に、どうしてただの除去スペルを使わなきゃいかないんだ?
 特にPWはクリーチャーやその他のスペルよりもスタンダードでは遥かに強力だ。PWは
盤面にすぐさま干渉し、死なない限りその後のターンもアドバンテージを生み出し続け、すぐに対処されなければPWだけでゲームを完全に掌握してしまう。

画像②

 ギデオンが良い例だ。こいつは比較的軽いコストにもかかわらず多様な働きをして、すぐに対処しないと数ターンで相手プレイヤーを倒してしまう。対処し辛く、適切に回答するのが不可能と思うのも当然だ。
 もし僕の目的が出来るだけ多く勝利することだったら(実際そうだ)、これらの(A)「非常に効率がよく、階級無視で非常に強力」で(B)「他のカードに簡単に対処されたり咎められるものがない」カードを使わない理由はない。
 この硬直した2デッキメタゲームに行きついた大きな理由はミッドレンジのような特定の戦略が、効率的で強力なカードを上手く使えるが故に、他の戦略よりも単純に優れているからだ。


「楽しくない」戦略を戻せ

 フェイスブックでエリック・フロードリッヒにした質問「一番いいスタンダードは何だった?」をカイルにも訊いてみたところ、カイルはすぐさま非常に説得力のある理由付きでラヴニカ/神河だと答えてくれた。
 カイル曰くラヴニカ/神河が素晴らしかったのは文字通り終わりがないくらい色々なことをプレイヤーは出来たからで、それはウィザーズが「楽しくない」カードを刷るのを恐れなかったから可能だったという。当時は全ての種類の不愉快なデッキがあったし、馬鹿みたいに強い壊れカードも同じくらいあったんだ。
 パッと見、不愉快なデッキや壊れカードは良くないように思える。しかしそれによってプレイヤーはあらゆることを出来る選択肢を手にしていたんだ。

画像③

 《猛烈に食うもの》ポンザ、《春の鼓動》コンボ、《けちな贈り物》ランプ、太陽拳コン、UGテンポフラッシュ、Zooアグロ、オルゾフミッドレンジ、ハウリング・オウル、など枚挙に暇がない。
 強力なカードばかりで、マナ基盤も上質だったのでプレイヤーはやりたいことを全部やれたんだ。特定の理想的なプレイ体験(ミッドレンジ)に焦点を当てるのではなく、ゲームプレイ全体に多様な可能性を促進するようにカードがデザインされていた。
 僕はアナリストが何らかの表を見て「どうやらミッドレンジでプレイするのが好まれているようだな。ランデスは嫌われているようだ。カウンタースペルも嫌われているようだ。ロックデッキも嫌われているようだ」と言ったんじゃないかと思うよ。そして開発は好ましくないアーキタイプ全てを排除しほしいものを与えるという最も論理的な帰結に辿り着いたわけだ。

画像④

 問題はプレイヤー自身が本当に何を望んでるのかしばしば分かっていないということだ。確かに、短期的には人々は何であれ負ければイラつくだろう(そもそも土俵に上がっていないかのような負かされ方をしたならなおさらだ)。しかし僕は問いたい「2つのミッドレンジしかトップメタにいない硬直したメタゲームの方が本当に優れているのか?」と。
 これは誰に尋ねるかによって大分違う答えが出るだろう。ああいった戦略がプレイヤーに人気かどうか知るにはモダンが格好の例だ。モダンには全て(もしかしたらそれ以上)がある。ああいった「不人気な」戦略全てが存在しそれを実際目にすることができるんだ。ランタンのようなプリズン、ストームのような速いコンボ、RGポンザ、そしてもちろんカウンター満載のデッキもなんでもござれだ。多くのプレイヤーが嫌いなカードについて不平を漏らすが、実際はプレイヤーはモダンを愛しているしモダンは不平が絶えないにも関わらず成長し盛り上がっているんだ。


子供だましの施策はやめろ

 もし僕が開発だったら、子供だましはやめて違った戦略が存在できるようなカードを刷ることでスタンダードを立て直そうとするだろうね。もし戦略の多様性とダイナミックなプレイ体験がゴールなら、もっと色々な選択肢があるべきだ。どう見たって「強い」カードトップ5が全部ミッドレンジ向きであるべきじゃない。
 今キミが何を思ってるか分かるよ「もし今後さらに情報化が進んで、環境が解明されたとき、ミッドレンジがベストな戦略という代わりに2つの更に楽しくない戦略がトップメタになったどうするんだ?」
 良い質問だ!表面的には、トップメタが2つしかないメタゲームでも、少なくとも4Cサヒーリ対マルドゥは面白いし駆け引きのあるゲームを後押しするだろう。一方でランデス対コントロールは多くのプレイヤーにとって楽しい体験とは言い難いだろう。特にこういったデッキはFNMのようなカジュアル層への受けが極めて悪い。
 僕の答えはこうだ。ゲームデザイナーをゲームの一部が「立ち入り禁止」になっているような箱に押し込めるのではなく、彼もしくは彼女たちのやりたいようにやらせる。ウィザーズには素晴らしいプレイヤーやデザイナーがいるし、僕は彼/彼女たちが何とかすると信頼している。開発チームが挑戦し続ける限り、スタンダードでどんな問題が起こったとしても僕は彼/彼女らのミスを受け入れるだろう。
 これの問題はここ最近のスタンダードより悪い、末期のフォーマットになるリスクがあることだ。しかしそうは言っても、ここ最近のスタンダードがそこまで酷くはないにしても素晴らしいとは言い難いのも事実なわけで、スタンダードをもっともっと良くする余地は確実にあると思う。


翻訳終わり
チームサイゲ公式
https://twitter.com/Team_Cygames/status/842571205538324483

市川プロの見解
https://twitter.com/serra2020/status/842597119064137728
https://twitter.com/serra2020/status/842599499235184640
https://twitter.com/serra2020/status/842611963620339712


ウィザーズ頭おかしい。マジックオワタとか冗談言ってる場合じゃない。カード開発/調整の失敗はまた次頑張ってねで許せますが、こういう企業としての姿勢はどうしようもない。市川プロの話が本当なら公式声明で弁解すべき。もししないのなら僕はマジックから距離を置きます。MTG好きだけど、おかしな企業が出してるゲームをやることで、その企業自体を黙認しているように見做されるのも嫌なので。
【賛】
GP直前に禁止して混乱を招きたくない
流石に禁止連発は信用を失う
塔(もしくはエルドラージ)出てきたしまだ変化の余地がある

【否】
今月初めの会議で決定とかデータ古すぎ
環境が凝り固まってる今禁止しないでいつ禁止するのか

【諦】
どうせアモンケット前に禁止でしょ


どうすりゃよかった?こうすりゃよかった:改訂を一週間後にずらしてギデとフェリダー禁止

GP前に変な混乱を招きたくないというのはとてもよく分かりますが、今の状態で禁止を出さないのも不健全なので、GPに影響が出ないよう改訂を少し遅らせるのがベストだったと思います。
二連続禁止云々は知ったこっちゃないです。流石に大っぴらにスタン環境より企業としての体面が大事とか言えないと思いますが。
どうしても改訂日を変えたくないのなら、せめて土日はGP監視してギリギリまで環境を見極めようとすべきですね。月初めの会議で決めたものをそのまま適応とか、不真面目過ぎて目玉飛び出るかと思いました。


スタン:赤黒除去ミッドレンジとかいう凡庸なデッキで勝ったり負けたり。正直あまり楽しくないデッキなのでモチベ低下が著しい。静岡前の禁止で何かしら動きがあってもなくても、新セットまでスタンはいいかなと。

モダン:Super tano C! 新たな造形をいじくり回したり、純鋼ストームを貸して頂いて回してみたり。モダマスは2パックだけ買ってあとはシングルで目ぼしいカードを補充する予定。

翻訳:中々ピンと来る記事が見つからない。まあ無理にやる必要もないのだけれど。
【モダン】グリクシス新たな造形
【モダン】グリクシス新たな造形
【モダン】グリクシス新たな造形
クリーチャー:16
4《秘密を掘り下げる者》
3《瞬唱の魔道士》
4《飛行機械技師》
1《ピア・ナラー》
3《ピア・ナラーとキラン・ナラー》
1《荒廃鋼の巨像》

他スペル:21
4《血清の幻視》
2《呪文嵌め》
4《稲妻》
3《終止》
2《マナ漏出》
2《イゼットの魔除け》
4《新たな造形》

土地:23
2《島》
2《山》
1《沼》
4《尖塔断の運河》
4《汚染された三角州》
4《血染めのぬかるみ》
2《蒸気孔》
1《血の墓所》
1《湿った墓》
2《僻地の灯台》


有効色フェッチで妥協していたら、いつの間にか青赤がグリクシスになっていた。
以下変更点

《秘密を掘り下げる者》
《修復の天使》《刃の接合者》がいないことによる打撃力の低さが気になったので、かねてから使いたかったデルバーを採用。安定した変身は望めないが、1ターン目に出せればそこそこ叩いてくれる。

《終止》
流石に除去稲妻オンリーは辛かったので。4枚にしても良いかも。

《瞬唱の魔道士》
MOだとやたら安くてたまげた。こんな強いカードが8チケで買えるとかそりゃ皆使いますわな。

《集団的蛮行》
メインには入ってないがまあ強い。これのおかげで苦手だったバーンともそこそこ戦えるようになった。

正直あまり強くないですが、好きなカード使えてかつそこそこ戦えるのでお気に入りです。今後はサイドのブラッシュアップにも取り掛かりたい所存。

雑な翻訳です。言い訳です。誤訳等お気づきの方はコメント欄にてご指摘いただければ幸いです。
原文:The 4 Big Problems with Standard by Mike Sigrist
http://www.channelfireball.com/articles/the-4-big-problems-with-standard/

以下訳


 今週末のGPピッツバーグの後、スタンダードのメタは既に硬直化してるっていう不満をちょくちょく聞くようになった。そこで僕はどのくらいの人がスタンを楽しんでるか、もしくはそうでないかをツイッターで訊いてみたんだ。結果は拮抗していたが、僅かに否定派が肯定派を上回った。僕は今のスタンは「否定派」だから、この結果には特に驚かなかったよ。僕がそう思うのは幾つか理由があって、同時に僕らが今直面している問題への根本的な解決策も提示するつもりだ。


【1】先手が重要過ぎる
 ダイスロールに勝てなきゃすごく不利になるぞって初めて感じた時のことを今でもよく覚えているよ―2016年のGPデトロイト、「エルドラージの冬」の時だ。確かにマジックでは先手は大抵有利だ。しかしこの時ほどではなかった。このエルドラージミラーでは《難題の予見者》を最初に出せることは凄まじいアドバンテージで、今のスタンダードも先手の重要度という点ではこれと大差ないと思う。
 ジェスカイサヒーリでPT霊気紛争に向けた準備をしてる時、先手で初手に土地が数枚に《蓄霊稲妻》と《サヒーリ・ライ》があった時は最高に嬉しかったね。サヒーリをがら空きの戦場にプレイできるということはとても強いアクションだ。対戦相手はタップアウトしたらフェリダーが出てきて即死するリスクを考慮して土地を立たせなければならないからね。後手でも同じような手札になることが度々あったが厳しいものだった。というのも3ターン目には既に相手の場に脅威が並んでいて、たとえ除去があっても3マナカードをプレイできないからだ。
 機体もまた先手ゲーを加速させている原因だ。機体は先手だと本当に輝く。盤面を構築し、先に攻撃でき、召喚酔いをしているクリーチャーを搭乗させることができる。搭乗するためにタップされたクリーチャーはブロックしないし、機体はマナコストの割に非常に大きなPTを有している。《キランの真意号》を有効に止められる2マナクリーチャーはいないんだ。だからブロックなんてできないし、つまりそれは先手をとてつもなく利しているということになる。古いフォーマットでは少なくとも同じサイズかそれ以上の大きさのクリーチャーをプレイして有利なブロックをすることができたんだけどね。機体を《屑鉄場のたかり屋》や《模範的な造り手》と組み合わせたなら、ブロックするのは最高に難しくなる。ゲームの序盤なら尚更だ。《模範的な造り手》は1/1としてしかブロックに参加できないし、たかり屋に至ってはそもそもブロックできないからね。ブロックしないのならゲームはダメージレースになり、ダメージレースは大抵先手が有利だ。
 緑黒《巻きつき蛇》デッキに関しても同じだ。《巻きつき蛇》はクリーチャーをバカデカくし、ブロックをさせ辛くする。《巻きつき蛇》から《ピーマの改革派、リシュカー》に繋げるだけで3ターン目にしてパワー8を戦場に送ることが出来るんだ。《巻きつき蛇》は《ピーマの改革派、リシュカー》や《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》、《新緑の機械巨人》のようなカードと組み合わさることで、対戦相手のブロックをチャンプブロックに変えてしまう。《巻きつき蛇》や《新緑の機械巨人》の後押しで量産された巨大クリーチャーは《豪華の王、ゴンティ》を最近よく見かけるようになった理由だ。ゴンティはアドを生み出すし接死でどんなクリーチャーでも受けとめられる。これに気付いて、何人かのチームメイトと僕は先週末に自分たちのBGデッキに《節くれ木のドライアド》を入れてみたんだが、《新緑の機械巨人》と《巻きつき蛇》によってデカくなったクリーチャーたちと目論見通りトレードすることが出来たよ。《節くれ木のドライアド》や《ナーナムの改革派》は単体だと流石に弱いが、大型クリーチャーに蹂躙されるような状況ではブロックで相打ちを取るという選択肢を与えてくれる。

解決策
 《致命的な一押し》は後手の遅れを取り返す手段の一つだろう。実際GPピッツバーグでは後手の《致命的な一押し》がないハンドはキープすべきでないと感じるほどだったよ。もちろん《致命的な一押し》のために常にマリガンするなんてことは出来ないが、デッキ構築の際にこのカードを4枚採用する理由として覚えておいて損はない。よく3枚採用しているリストを目にするが、今くらいにBGが隆盛しているなら、このカードを可能な限り採用しないのは大きな間違いだと思うね。


【2】先行している時に雪だるま式に影響を及ぼすカードが多過ぎる

 雪だるま効果はなぜ先手がとても重要かということに似ているだけでなく、これらの脅威が野放しになっている時であればいつでも当てはまる。
以下は直ちに回答されなければ雪だるま式に影響を及ぼすカードの簡易リストだ。

《巻きつき蛇》
《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
《牙長獣の仔》
《不屈の追跡者》
《光袖会の収集者》
《霊気池の驚異》
《残忍な剥ぎ取り》

 これらのカードは全て、対応されない限り雪だるま式にアドバンテージを生み出していく。これらが戦場にある限り毎ターン追加のアドバンテージを生み出し、締め付けを強めていくんだ。土地が詰まった?死亡。スペルを唱えられないターンがある?ゲームオーバー。
 《不屈の追跡者》は毎ターン追加カードをもたらし、自身も大きくなる。《巻きつき蛇》は脅威をさらに大きくする。《牙長獣の仔》はエネルギーの連鎖が続く限りターン毎にブロックし辛くなり、与えるダメージが大きくなり、勿論《巻きつき蛇》と組み合わされた日にはうんざりするだろう。《光袖会の収集者》は毎ターン追加でドローをもたらすし、《霊気池の驚異》はデッキを掘って《絶え間ない飢餓、ウラモグ》のようなとてつもないスペル0マナでキャストさせる。もしウラモグを見つけられなくとも、大抵次のガチャ起動のエネルギーを掘り当てるだろう。《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》は1ターンに1つトークンを生み出し、戦場にいればそれだけ回答するのが難しくなる。《残忍な剥ぎ取り》は昂揚達成で勝手に大きくなるうえに「占術3」のような能力で攻め手が止まらないようにデッキトップを操作できる。
 こういったカードは後手の不利を加速させる。なぜなら後手プレイヤーはこれらの次々現れる超強力な脅威に対して常に対応しなければならないからだ。さもなくば後手プレイヤーはすぐさま圧倒されてしまうだろう。たしかに後手ならカードを1枚引けるが、これらの強力なカードが放置されることによる作り出すアドバンテージの方が遥かに大きい。これらのカードに共通する他の点はなんだろうか?そういったカードは大抵、早いターンに出遅れると酷いカードに成り下がるということだ。

解決策
 この手の脅威は非常に強力なので、特に後手用に、これらのカードに対応するプランをサイドボードに盛り込むことが絶対に必要だ。よくやるのは《闇の掌握》や《破滅の道》といった除去を増やすやり方だ。メインデッキにも採用されるカードだが、この手のマッチでは放置すれば負けに繋がってしまう脅威に対応するために、さらに必要になるだろう。僕は後手になった時のためだけに追加除去をサイドに取るようにしているよ。そうでもしないと後手の不利をリカバー出来ないからね。


【3】多様性の欠如
サム・パーディー「スタンダードのプレミアイベントで22ラウンド戦ったけど、その内21回がBGかマルドゥだったよ」

 サムの言葉はこのフォーマットの多様性が如何に暗澹たるものかをよく表している。僕のマッチアップも彼と大差ないものだった。BG系のデッキにも色々あるが、大抵のBGデッキは対戦してみると殆ど同じように感じられるんだ。大抵《巻きつき蛇》とシナジーを形成するように構築してあって、その後で昂揚やエネルギーといったサブテーマがある。このサブテーマの如何でデッキが少し違って見えるが、大抵のゲームで殆ど似たような動きをする。
 BGがそんなに多いなら、メタればいいんじゃないか?BGに強いデッキを使えばいいだけだ、そうだろ?まあ確かに、BGは強力で直線的なデッキだが不利なマッチアップはある。PTに向けたデッキ調整の時に話を戻すと、僕たちが作った「面白い」デッキの殆どはBGに対しては強かった。しかし問題があって、それらはジェスカイサヒーリに対してかなり不利だったし、マルドゥ機体に対してもそうだった。これは《金属製の巨像》みたいなデッキをプレイするなら、かなりの確率でBGと当たることを想定しなきゃいけないということでもある。
 BGとマルドゥ機体に同じ戦略で挑むのはかなり厳しい。僕がBGを使っている時に負けるゲームは大抵《燻蒸》が原因で、それを聞いて君はこの全体除去はアグロという点で共通しているマルドゥ機体にも有効だと思うかもしれない。問題は、実際はそうじゃないってことだ。現にマルドゥ機体側はよくBG用としてサイドボードに燻蒸を採用している。マルドゥは《屑鉄場のたかり屋》や《キランの真意号》、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》といった、クリーチャーしか取り除けない全体除去に強い、復帰力の高い脅威を溢れんばかりに有しているからね。

解決策
 ギデオンのようなPWや機体の復帰力に対処するためには、《次元の浄化》のような 、全体除去としては少し重いが、クリーチャーと一緒にPWや機体を流せるスイーパーがあれば良いんじゃないかと思う。これがあれば、機体やBGといったデッキに対してもコントロールで追いつくことが出来るし、ミシュラランドがあるからライフを低くしても良いということにもならないしね。
多様性の問題については、他に不利なマッチアップがあったとしてもBGとマルドゥ両方に強いデッキを見つけられれば、解決と言えるだろう。残念ながら僕はまだそういったデッキを見つけられていないが、青赤ゾンビみたいなデッキは良い立ち位置にいると思う。もっとも、青赤ゾンビがメタゲームを動かすほどマルドゥに強いかはまだ確証がないけどね。


【4】サヒーリコンボがミッドレンジを排斥している
 今のスタンダードはじゃんけんみたいなものだ。マルドゥはBGに対して僅かに不利で、BGはサヒーリに対してやや不利、そしてサヒーリはマルドゥの格好のカモ、といった具合だ。
 この3つの中ではサヒーリデッキは一番弱いが、同時にサヒーリデッキはスタンの多様性を損なわせている元凶であり、ミッドレンジが過小評価されている理由でもある。
 もう一度CFB IceとFace to FaceのPTテスト合宿に話を戻そうか。僕たちはスタンの素晴らしいカードをありったけ利用した有望そうなデッキを幾つも作り上げたんだ。これらのデッキの多くは同じCFBのチームメイトであるパウロ(Paulo Vitor Damo da Rosa)とヨエル(Joel Larsson)が考案したものだった。
 僕たちのローグデッキの多くが上手くいかなかったのは、それらがジェスカイサヒーリとその亜種に対してあまりに無力だったからだ。同じデッキをBG系に対しても試したが、そっちは好感触だった。金属製の虚像、青赤ゾンビ、グリコン、これら全てがBGとのマッチアップでは大いに勝った。しかし、3つのうちの2つがサヒーリコンボの良いカモだったんだ。
 ある時イヴァン・フロックが《霊気貯蔵器》コンボか《効率的構築》でソプタートークンを死ぬほど出して勝つ、青単《逆説的な結果》/《発明品の唸り》デッキを作ったことがあった。一見ポテンシャルを秘めているように思えたんだが、どうやっても対コンボで勝つ手段がなかったので、すぐにお蔵入りになってしまった。
青単
クリーチャー:8枚
4《上級建設官、スラム》
4《羽ばたき飛行機械》
他スペル:33枚
4《解析調査》
4《《逆説的な結果》》
3《発明品の唸り》
2《霊気貯蔵器》
1《鼓舞する彫像》
4《骨の鋸》》
4《聖戦士の盾》
3《予期》
4《改革派の地図》
4《発明家のゴーグル》
土地:19枚
4《港町》
2《大草原の川》
4《産業の塔》
1《平地》
8《島》

 この手のデッキは、絶対に勝てないようなコンボがいるような環境でのBGやマルドゥに対しても「十分に」強くないから、今後も日の目を見ることはないだろう。確かに面白いしパワーもあるが、コンボの相手をしながら自分のコンボ達成を目指すにはあまりに直線的すぎる動きしかできないので、結局コンボにボコボコにされてしまうんだ。《金属の叱責》は相性を改善するには全然足りないが、そんなスペルしか選択がないんだ。
 6マナソーサリータイミングのアクションではサヒーリコンボに対処できず、即ちそれは死を意味するので、《不撓のアジャニ》や《死の宿敵、ソリン》のようなミッドレンジ向きカードも埃を被っている。サヒーリコンボが存在する限り、こういった面白いカードは残念ながらベンチウォーマーであり続けるだろう。
 僕らの巨像デッキは素晴らしく、霊気紛争から多くの新カードを採用し目覚ましい成果をあげていたが、サヒーリコンボとマルドゥ機体に対して相性が良くないという大きな問題があった。もし巨像に有利なサヒーリコンボが死滅したら間違いなく見かけることになるデッキだと思うんだけどね。

解決策
 なので僕の意見では、もし《守護フェリダー》が禁止になれば、サヒーリコンボに弱かったデッキが隆盛して、面白いゲームが見れるようになるし、もっとユニークなカードや戦略を採ることも可能になると思う。たとえサヒーリコンボが支配的でなかったとしても、サヒーリコンボはそれに対抗できない他の多くの戦略を締め出すことでスタンダードをつまらなくしている。


 僕は普段フォーマットの愚痴を言うタイプではないんだけど、このフォーマットでマジックに取り組むためには何が必要かを知ってもらいたかったんだ。今回僕はカードのスピードとパワーレベルがこのフォーマットで有利になるのを難しくしてるということに気付いた。しかし引き続き何か手掛かりがないか探し続けるつもりだし、君たちもそうしてくれ。もしスタンダードについて何か思うところがあるなら是非コメント欄で教えてくれよな。


訳終わり
The 4 Big Problems with Standard by Mike Sigrist
http://www.channelfireball.com/articles/the-4-big-problems-with-standard/

Future Future League: Failures and Fixes by SaffronOlive
https://www.mtggoldfish.com/articles/future-future-league-failures-and-fixes

翻訳する?しちゃう?長いよ?
うーん
「雑な訳」という逃げ道
マルドゥ人間meetsヴォルダーレンの下層民
マルドゥ人間meetsヴォルダーレンの下層民
マルドゥ人間meetsヴォルダーレンの下層民
赤黒ザダデッキを組む

カーリやら守備隊やら入れる

別の勝ち筋として下層民も入れる

下層民の方がザダより遥かに強いことが判明

赤黒下層民の線で作り直す

別の勝ち筋としてズラポ入れる

ハンウィアーもカーリもズラポも人間じゃね?

というわけで完成したクソデッキがこちら

クリーチャー:26
4《スレイベンの検査官》
4《ズーラポートの殺し屋》
4《金属ミミック》
4《サリアの副官》
3《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ》
4《ハンウィアー守備隊》
3《ヴォルダーレンの下層民》

インスタント:9
4《致命的な一押し》
1《多勢》
4《無許可の分解》

土地:25
4《平地》
5《沼》
4《山》
4《燻る湿地》
4《秘密の中庭》
4《感動的な眺望所》


何よりマナベースが強い。ナヤ人間とか組んでる場合じゃなかった。楔三色最高だな!
ミミックor副官と守備隊のシナジーは相変わらず最高。
ズラポとミミックはバリスタのおやつなのが問題だが、バリスタ自体はメタの都合で増えたり減ったりしているし、実はそこまで致命的ではない(と思う)
アド取れるカードがないので多勢を抜いてニクシリスさんあたりを入れた方が良いかも。


人間を指揮しているのが吸血鬼の下層民ってなんかストーリー性を感じる。自分で作ったデッキだけども。
《守護フェリダー》は禁止!終わり!
がコンセンサスと思っていたら非禁止論も根強いようなので、今一度禁止について触れておこうと思った次第どす。

フェリダーが禁止されるべき6つの理由~6 Reasons to Ban Felidar Guardian~

【1】オーバーパワー
エムラがスタンには強すぎるということで禁止されたが、4キル可能な2枚コンボもスタンには過ぎた代物だと思う。確かにエムラと違って対抗手段はそこそこあるが、通れば確実にゲームセットなので単純に劣っているとも勝っているとも言えない。確実なのは、両者とも初めては面白いが何回もやられ出すとうんざりするということ。

【2】高い拡張性
黒緑も機体もカラデシュの推しメカニズムに乗っかっている、所謂デザイナーズデッキなわけで、アモンケット以降のブロックで純粋に強化されるとは考えにくい。しかしコピーキャットは2枚コンボであり、すなわち2種のキーカードさえ崩さなければ後は幾らでも自由に構築でき、非常に拡張性が高い。たとえある環境で振るわなかったとしても、また別のセットが出れば白青赤のカードの強さに伴って幾らでも浮上する可能性があり、長い期間メタゲームに居座る可能性が高い。

【3】インスタント時代継続
ヘリ禁止時にこれでもっとソーサリータイミングのアクションが増えると言ったものの、コピーキャットコンボでまたインスタント環境になっている。PWを確実につぶせる《破滅の道》と本体火力兼たかり屋対策の《焼夷流》が少し使われているくらいで、ソーサリー除去が十分に使われているとは言い難い。

【4】非‐多様
お手軽な2枚コンボなので他のコンボデッキや除去やカウンターが薄いデッキの人権を奪っている。発明家気分~と言いつつ他のコンボがデッキ全体でコンボ狙いに行ってる中、コピーキャッツだけ軽いカード2枚で無限キメてるのは流石に。

【5】Two More Years
もし禁止しないのであればあと2年、開発はフェリダーシナジーにおびえながら新カード出さなければならず、プレイヤーはコンボの制約を受けなければならない。サヒーリとのシナジーに気付いていなかった開発が2年の間に何もやらかさないというのは考えにくい。

【6】開発が気付いていなかった
開発が全てをコントロールする必要はないが、トップメタに食い込むレベルの無限コンボはコントロール出来ていないとやばい。


ほか禁止候補

《キランの真意号》
ヘリと比べて全てがおとなしいのでBANはない派。
ヘリ1→3+どんなデッキにも入る
キラン3 →4+専用の構築が要求される

《屑鉄場のたかり屋》
強いけど禁止するほどではないと思う。戻ってくるとはいえ結局回避能力なしのうえにブロックできない3/2だし、機体みたいにオラオラ押し込めないと守れないのが響いてキツいので。

《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
正直禁止してほしいけど前回禁止免れた時点で次回の禁止も免れそう。まあアモンケット以降は最後の手段「本来アモンケットで落ちる予定だったので禁止」が使えるし?




今になってみればコピー猫は発売前エラッタが一番安全だったのかなと。
Mファイル『霊気紛争』編・パート1 フェリダー部分のみ訳
また土日跨いで10日後とかなりそうなので勝手に抄訳(文量少ないし)


《守護フェリダー》
 TJA:2枚並ぶと(もしくは片方は《クローン》でもいい)無限になるね。
 DEL:任意の大きさね、でも少なくとも引き分けにはならないわ。

正確に言うと、無限は任意数とは違います。他の土地以外のパーマネントがない状態下での3つの《忘却の輪》は無限にならなければならず、ゲームは引き分けになります。このコンボはあなたにそれを何度も繰り返させます。ティムがこのコメントをしましたが、我々は2枚の《守護フェリダー》が無限にブリンクすることをそれほど懸念していませんでした。3枚目のカードが必要になるだろうから、と。
しかし我々はサヒーリとのシナジーを見逃していました。そしてそれがいくつかの…面白いスタンダードデッキへと繋がりました。『霊気紛争』で我々はスタンダードに更なるコンボデッキが生まれるように後押ししていましたが、このコンボは我々が意図的に危険を冒してまで作るようなデッキではありません。今になってみれば、《守護フェリダー》は「クリーチャーかアーティファクト」にすべきでした。
今週末にはプロツアー『霊気紛争』があり、我々はこの種のデッキがどうなるか注視しています。

ソース:http://magic.wizards.com/en/articles/archive/latest-developments/m-files-aether-revolt-part-1-2017-02-03



はい。
■紛争ZOO
クリーチャー:26
4《緑地帯の暴れ者》
4《通電の喧嘩屋》
3《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ》
4《緑輪地区の解放者》
4《隠れた薬草医》
4《無謀な奇襲隊》
3《不屈の追跡者》

他スペル:14
4《ショック》
4《枷はずれな成長》
2《改革派の地図》
4《蓄霊稲妻》

土地:20
5《山》
5《森》
2《霊気拠点》
4《獲物道》
4《燃えがらの林間地》

紛争達成のための仕込みアクションが弱すぎる。《隠れた薬草医》絡みのブン回りでもない限り飛び抜けて速いわけでもないので、緑黒とかが間に合ってしまう。そもそも1マナクリーチャー4枚しか入ってない紙束がZOOを名乗るとかおこがましかったな?RIP


■ジャンドアーティファクトミッドレンジJAM
クリーチャー:22
3《キランの真意号》
4《屑鉄場のたかり屋》
1《通電の喧嘩屋》
3《速接会の技師》
3《ピア・ナラー》
4《不屈の追跡者》
4《艱苦の伝令》

他スペル:14
2《致命的な一押し》
4《改革派の地図》
4《蓄霊稲妻》
4《無許可の分解》

土地:24
5《沼》
3《山》
2《森》
3《燻る湿地》
3《燃えがらの林間地》
4《花盛りの湿地》
4《霊気拠点》

攻めている時は強いが守勢に回ると途端に頼りない。たかり屋とか技師とか喧嘩屋とか追跡者とか全部攻め用のカードじゃねぇか!
最強除去の《無許可の分解》を使えるのは良い。

■ナヤヒューマンズ
クリーチャー:27
4《スレイベンの検査官》
4《金属ミミック》
4《通電の喧嘩屋》
4《サリアの副官》
4《ハンウィアー守備隊》
2《異端聖戦士、サリア》
2《不屈の追跡者》
3《優雅な鷺の勇者 》

他スペル:9
4《多勢》
4《蓄霊稲妻》
1《石の宣告》

土地:24
5《平地》
3《山》
3《森》
1《進化する未開地》
4《燃えがらの林間地》
4《梢の眺望》
4《感動的な眺望所》


一番マトモに戦えるデッキ。
お試しで入れた《優雅な鷺の勇者》が強かった。4tに飛び出して10~20点回復してくれることもしばしば。
守備隊シナジーデッキですが喧嘩屋の打点が地味に高いので守備隊引けなくてもあまり問題はなかったり。
ただジェスカイが緑黒対策に入れている燻蒸が緑黒以上にぶっ刺さったり、対緑黒はサイズで圧倒される上に苦労して育てた副官をキックで落とされたりトップメタに大して強くないのが難点。一応先手で横にガンガン広げて殴ればなんとかならんでもないですが、例に漏れずこのデッキも守りに強い訳でもないので後手で相手に良い動きされるとかなり厳しい。
そして相変わらずマナベースがry


今週末はもうPTですしこれ以上のデッキ調整はそれを見てからにしようかしらん。
霊気紛争スタンデッキ案:ジャンドアーティファクト
霊気紛争スタンデッキ案:ジャンドアーティファクト
なぜジャンド?
黒:《艱苦の伝令》使いたいので
緑:《不屈の追跡者》の手掛かりがデーモンと相性バツグンなので
赤:宗教上の理由

クリーチャー:25
2《ギラプールの希望》
4《屑鉄場のたかり屋》
4《通電の喧嘩屋》
4《速接会の技師》
3《ピア・ナラー》
4《不屈の追跡者》
4《艱苦の伝令》

他スペル:11
3《改革派の地図》
4《蓄霊稲妻》
4《無許可の分解》

土地:24
5《沼》
2《山》
3《森》
3《燻る湿地》
3《燃えがらの林間地》
4《花盛りの湿地》
4《霊気拠点》


プランAは《速接会の技師》を軸にしたアーティファクトビート。プランBは即席で4t~5t《艱苦の伝令》。
トラッカーは手掛かり出す関係上4マナクリーチャーとしてカウントしてます。
《通電の喧嘩屋》だけ何のシナジーもないので他に良いパーツがあれば即交換したいところ。
最初はオルゾフ軸の霊気装置シナジーデッキで作っていたのですが、デーモンを引けないとアーティファクトが単体で弱すぎたのであえなく解体のち現在の形になりました。ジャンドっていいよね。

< 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13

 

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索